ベスト?プロフェッショナリズム賞

「ベスト?プロフェッショナリズム賞」の創設にあたって

 2025年5月21日にベスト?プロフェッショナリズム賞の初めての授賞式が行われました。ベスト?プロフェッショナリズム賞は、学業成績にもとづいて選考されてきた東医賞に加え、学生たちの優れた態度や行動に光をあてることを目的として、宮澤学長による発案のもとに創設されました。このような本賞の趣旨は、本学の校是である「正義?友愛?奉仕」の精神や「患者とともに歩む医療人を育てる」というミッションにも合致するものです。

 医学教育では、同学年の学生がほぼ同じ科目を履修する構造であるため、ともすると学生たちの間でも横並びで成績評価を競い合うような雰囲気が強まりがちです。また、近年では、将来の医療人として相応しくない態度や行動を「アンプロフェッショナル」として抽出し、学生たちの自覚を促す取り組みが進められています。このような取り組みは、医療人の育成において必要であることは言うまでもありませんが、一方で評価される学生の側に「何をしてはいけないと言われるか」という受け身で消極的な意識ばかりを生み出すことも危惧されます。このような医学教育の状況のなかで、本賞の創設には、自らの信念を持ちながらも他者を思いやり、他者の喜びを自らの喜びとして受けとめて物事に取り組む学生たちの背中を押してあげたい、さらには、それによって将来の医療人を育てる医学教育の場において学生たちが互いを思いやり助け合う気風(校風)を醸成したいという思いが込められています。

 ベスト?プロフェッショナリズム賞は、まず学生同士の推薦に基づき、その学年に関わる教員や職員が意見を述べるという、いわゆる「360°評価」によって選出されます。このたび見事に本賞を受賞した学生たちは、同学年の学生たちだけでなく教職員からも揃って高い評価を受けています。受賞学生に寄せられた数多くの推薦コメントからは、彼/彼女たちが日頃から自らの「やりたいこと」「やるべきこと」に向き合い直向きに取り組んできたこと、そのなかで学友のために自らの労を厭わずに関わり続けてきたこと、そして、そのような姿勢に周囲が少なからぬリスペクトを抱いてきたことがひしひしと伝わってきました。それとともに、学友のために真摯な推薦コメントを記入した学生たちの姿勢にも感銘を受けました。

 今後、ベスト?プロフェッショナリズム賞が、このような学生たちの資質や姿勢に光をあて、その励みや支えになること、さらには、切磋琢磨する中でも互いに思いやり助け合うあたたかな本学の学園文化を育む一助となってゆくことを祈っています。

(人間学教室 倉田誠)

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2025年5月21日 ベスト?プロフェッショナリズム賞 授賞式にて

受賞者の公表


令和7年度受賞者:黒田 えいみ(医学科 第3学年)吉村 美香(医学科 第4学年)村岡 暁(医学科 第6学年)



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黒田 えいみ(医学科 第3学年)


【受賞理由】
 基礎医学系の科目が増える第2学年にあって、黒田えいみさんは学年のまとめ役?調整役として活躍すると共に、種々の活動にも活発に参加されています。「正義?友愛?奉仕」そのもののような黒田さんの振る舞いは、同級生に高く評価されています。地域?社会のリーダーという役割も果たすことになる「医師」の資質を備えており、ベスト?プロフェッショナリズム賞にふさわしい学生であると考えます。

(2024年度第2学年担任 内ヶ崎 西作主任教授(法医学))

 この度はこのような素晴らしい賞をいただき、推薦?投票してくださった皆さまに心より感謝申し上げます。評価してくれる同級生がいるということが本当に嬉しく、受賞の連絡をいただいた時には思わず涙がこぼれそうになりました。教職員の皆さまからの審査もあったとのことで、改めて身の引き締まる思いです。

 引き続き学内?学外での活動に積極的に取り組み、学生同士支え合いながら学びを深めていく所存です。医師は様々な背景の患者さんと関わることになりますし、多くの職種の方々と協力することになります。そのことを日頃より意識して、誰かのために今の自分にできることはなにか考えながら行動していきます。ベスト?プロフェッショナリズム賞に相応しい医学生であり続けられるよう、今後も正義?友愛?奉仕の心を忘れずに精進してまいります。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。


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吉村 美香(医学科 第4学年)


【受賞理由】
 吉村美香さんは、勉学およびクラブ活動に真摯に取り組む姿勢、クラスをまとめる優れたリーダーシップ、学友に対する配慮ある態度により、常に他の模範となる姿勢を示し、多くの学生から高い支持を得ていました。加えて、学業成績も優秀であり、礼節をわきまえた態度から、教職員からも高い評価を受けております。
 これらの点を総合的に評価し、吉村美香さんはベスト?プロフェッショナリズム賞にふさわしい学生であると認められ、今回の受賞に至りました。

(2024年度第3学年担任 赫 寛雄主任教授(神経学))

 まずはこのような名誉ある賞を受賞することができ、大変光栄に思います。

 講義や実習を通じて医療の奥深さと難しさを痛感する日々ではございますが、同時に医療が患者さんやそのご家族にもたらすものの大きさを学び、医療の道を志す者として背筋が伸びる思いを抱いております。

 今回受賞の栄誉にあずかることができましたのは、ひとえに常日頃よりご指導賜っている先生方、私達の大学生活をサポートしてくださる職員の皆様、切磋琢磨し合える友人、温かく見守ってくれる家族の存在があってこそです。

 このような恵まれた環境で学ぶことができているという事実に感謝の念を忘れることなく、今後も良医に一歩でも近づけるよう勉学に邁進してまいりたいと思います。

 この度はご選出いただき本当にありがとうございました。


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村岡 暁(医学科 第6学年)


【受賞理由】
 村岡君は、利他精神にあふれ、礼儀正しく好感の持てる学生である。実習にも熱心に取り組み、長期臨床実習に選抜されるなど意欲的に活動している。ボランティアにも積極的に参加しており、ベスト?プロフェッショナリズム賞にふさわしい人物である。

(2024年度第5学年担任 大野 芳正主任教授(泌尿器科学))

 この度は、栄えあるベスト?プロフェッショナリズム賞を賜り、大変光栄に存じます。日々の臨床実習や学内外の活動を通じて、「医療者を目指す立場としていかにあるべきか」「プロフェッショナリズムをいかに育んでいくか」を自らに問い続けてきた姿勢を評価していただけたことを、大変嬉しく思います。受賞理由には、長期滞在型臨床実習での積極的な学び、ボランティア活動への参加、学会発表による学術的な取り組み、そして周囲の方々との利他的な関わりなど、多面的な実践を挙げていただきました。この賞は決して私一人の力ではなく、日々ご指導?ご支援くださった先生方、志を共にして、様々な活動に尽力してくれた学友たちのおかげです。今後も常に謙虚な姿勢を忘れず、誠実に学びを積み重ね、信頼される医師を目指して一層努力してまいります。本賞にご推薦くださった皆様、並びにご審査いただいた教職員の皆様に、心より感謝申し上げます。

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