コロナ禍を超え、さらなる発展を目指して
理事長 矢﨑 義雄
謹んで新春のお慶びを申し上げます。そして新しい年を迎え、皆様に年頭のご挨拶を申し上げます。
令和2年から続いておりました新型コロナウィルス感染症がようやく収束に向かい、「with コロナ」の制約があるものの、社会活動が回復しつつあり、本学においても、十分な感染症対策を実施した上で東医祭や来場型のオープンキャンパス等の開催を再開することができ、大変盛会のうちに無事終了いたしました。そして、5年ぶりで父母会が対面で開催され、貴重な意見交換の場となりました。
一方、本学は、国際レベルの教育力と研究実績を有するとともに、社会連携も一層促進していることが国際的にも高く評価され、昨年に引き続き、「THE世界大学ランキング」では我が国の私立大学において、単科大学にもかかわらず第3位にランクされており、教職員一同自信を持つとともにさらに先に進むべく心新たにした次第です。
この度、近年多発した私立大学における不祥事に鑑み、文部科学省が私立学校法を改正し、各校にそれに基づく寄附行為の改定を求めています。とくに本学は入試に関する重大事象がある中で、慎重な論議を重ね、新たな寄附行為を策定いたしました。そこでは、理事長及び学長に、広い視野と高潔な人格とともに教学と研究及び組織運営に経験と高い識見を有するという厳しい適格条件が定められました。さらに、理事、評議員、監事には権限とともに責任が明記され、大学運営の透明化とガバナンス、コンプライアンスを強化した体制の整備を求めています。
早速本年は、役員等の改選が行われます。その中で、同窓会選出理事は、理事会のなかで特に強い影響力を持っておられますので、本学の将来を見据え、客観的な視点をもって、本学の発展に真摯に取り組まれる有為の方が選出されますことを期待しております。
かねてから検討を進めてきました、老朽化した施設の更新を目指したキャンパス再開発計画も順調に進展しています。すでにお伝えした通りに、西新宿キャンパスの研究教育棟と看護師宿舎を兼ね備えた共同ビル(仮称)、新宿キャンパスの最新の設備を整えた教室、講堂及び基礎医学教室の研究室、さらには動物実験室を含む総合棟(仮称)と、アリーナを兼ねた講堂も新築されます。八王子医療センターの老朽化した病棟の改築、188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注の病棟整備などが完成すれば、本学のさらなる発展が期待されます。ただ、昨今の建築費高騰により建築計画が停滞しておりますが、本年には再開できるものと期待しております。
来年は、本学の創立110年を迎えますので、新たな本学のミッションとビジョンを定め、皆さんと共有しながら、さらなる飛躍の年になるように努めたく存じております。何卒よろしくお願い致します。
「学生第一主義」を貫く
学長 宮澤 啓介
皆様、あけましておめでとうございます。
昨年は1月1日に能登半島は震災に遭い、9月には豪雨災害に見舞われました。災害後の復旧も十分に進まず、大変なご苦労の中で新年を迎えられる地域住民の方々には心よりお見舞い申し上げます。また、世界情勢に目を向ければ、気候変動や地域の紛争は続き、分断と混迷の度合いが近年増しています。このような中で本年は「中長期計画2016-2025」の最終年度となり、次期中長期計画の立案の年となります。時代の不確実性が増す中で大学の将来像を見据えた計画を立案していくことは難しい作業となりますが、次世代を担う良き医療人を育成することが本学の使命であることは如何なる時も変わりありません。大学機能の原点である「教育」を大切にして「学生第一主義」を貫き、最良の教育を行うために3病院機能の向上と大学機関の研究力アップを図りたいと思います。
1月には本学と沖縄県立中部病院(中部病院)との包括連携が締結されます。中部病院の優れた研修システムに学び、本学の診療参加型臨床実習ならびに卒後研修の充実を図ります。一方、中部病院スタッフは、本学の社会人大学院の研究教育リソースを最大限活用し、研究力の強化とスタッフのキャリア形成を進める予定です。今回の包括連携は双方にとって大変有益なものとなるでしょう。また、今年度は令和8年度の医学科カリキュラム改訂に向けた準備の年となります。学生達の自立的学習を促し、従来の「知識領域」の座学のオンデマンド化を進めます。これにより「過密」であったカリキュラム全体のスリム化を図り、より実習やグループ学習に特化したカリキュラム編成を目指します。併せて、既に一定の評価を得ている自由な学び系科目(リサーチ?コース、地域医療リーダーズコース、Road to Top Surgeon 、USMLE受験準備コース、海外臨床実習コミュニケーション)をさらに充実させ、学生達の「個」を伸ばす教育を推進します。看護学科は4月より念願の大学院修士課程が開設されます。本学の看護学教育の高度化が進むのと同時に、看護学研究科の修了者が将来本学の看護学教育を担うことで人材育成の好循環が生まれることが大いに期待されます。また、研究環境を整備し、国外留学支援策を強化してまいります。ダイバーシテイ推進センターの機能をさらに充実させ、ハラスメント相談窓口の一本化を進めて、本学のスタッフ全員が互いを尊重し働き甲斐のある職場環境を築いていきたいと思います。本学のミッションである「思いやりの心をもって患者の人生に寄り添える医療人を育てる」には、大学全体が思いやりと優しさに溢れていなければ実現しないと考えます。
時代の変化に即応できる組織体制のもとで、各部門?部署でPDCAサイクルを的確に回して教育?研究の質の向上に常に努力し、教職員と共に「医学教育の最高峰」を目指してまいります。今年一年が皆様にとりまして幸多き年でありますよう心よりお祈り申し上げます。