2025/02/17
医学科 プレスリリース

【プレスリリース】188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注と沖縄県立中部病院が包括連携協定を締結 ~臨床研修の名門?沖縄県立中部病院と医科大学が初の包括連携協定~

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(左から)沖縄県立中部病院 玉城 和光 病院長、188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注 宮澤 啓介 学長

 2025年2月14日、188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注(学長:宮澤 啓介/東京都新宿区)と沖縄県立中部病院(病院長:玉城 和光/沖縄県うるま市)は、包括連携協定を締結しました。
 本協定は、相互の緊密、円滑かつ効率的な連携及び協力を図り、もって人材育成の推進及び医療の発展に寄与することを目的としています。

【概要】
 本協定の締結により、188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注は、沖縄県立中部病院が実践する米国式教育システムの導入による質の高い診療参加型臨床実習と国際基準の医学教育の実現、また、これまで沖縄県立中部病院が離島医療を担う医師育成を通じて長年育んできたプライマリケアを基本とする学習機会創出など、人材育成体制の強化が期待できます。また、沖縄県立中部病院は、188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注の研究?教育リソースの最大活用により、沖縄県地域医療?離島医療で集積したビッグ?データを用いた質の高い臨床研究の国際社会への発信、臨床研究を基にした先進的医療の地域社会への還元、188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注での学位(博士号)取得によるキャリア形成など、臨床研究の更なる充実及び職員のキャリア支援が期待できます。

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【包括連携協定締結の経緯】
 沖縄県立中部病院は、米国統治下の1967年にハワイ大学と提携し、国内では先駆けてオンザジョブトレーニング(On the Job Training:診療現場重視)の臨床研修プログラムを導入した病院です。同院の研修医を前面に出した診療は、医療面接?身体診察の所見を基にして指導医と研修医間で徹底的に議論しながら(Peer Review)、診断および治療方針を決定する体制が特徴です。この教育体制により、研修医は高い臨床推論能力と総合臨床医としての経験値を積むことができます。
 188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注では、高度な先進医療を担う附属病院に加え、地域医療機関や在宅診療機関を教育リソースとして活用することで「臨床実習を重視した全人的医学教育カリキュラム」の構築を目指しています。このたび、沖縄県立中部病院と連携し、その教育体制を導入することで、「総合的な診療能力の基盤の上に高い専門性を有する医師」の育成という、さらにハイレベルな人材育成の推進を目的として本協定の締結に至りました。

【協定内容】
 本協定は、研究、専門職の人材育成その他の事業の実施について相互の緊密、円滑かつ効率的な連携及び協力を図り、もって人材育成の推進及び医療の発展に寄与することを目的としております。なお、連携?協力内容は以下のとおりです。

(1) 医療の質の向上を目指す先端的な高度医療の研究
(2) 臨床実習指導に関わる人材養成
(3) 学生の臨床実習に関する事項
(4) 大学院の連携に関する事項
(5) その他、両者協議に基づく連携及び協力の事項

【包括連携概要図:提供できるリソースと予想される成果】

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【学校概要】
■188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注の歴史?概要?特徴 /

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 188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注は、1916(大正5)年、東京?新宿の地に建学された100年以上の歴史ある私立医科大学で、医学部には医学科と看護学科(2013年開設)を有し、大学院には医学研究科(博士?修士)を設置しています。多様性、国際性、人間性に支えられた最高水準の医科大学の実現をビジョンに、医師?看護師?研究者を育成し、多くの医療従事者を輩出しています。
 また、地域の医療ニーズに応え、大学病院(新宿区西新宿)を中心に188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注(茨城県稲敷郡阿見町)、八王子医療センター(東京都八王子市館町)と関東広域に附属病院を展開しています。2016(平成28)年には創立100周年を迎え、2019(令和元)年7月には新大学病院が西新宿に開院しました。
 近年は研究にも力を入れており、ミッションである「患者とともに歩む医療人を育てる」のもと「患者に優しい医療(低侵襲医療)」の実現に向けた研究活動を推進しています。今後も、臨床を支える高度な研究を推進し、地域そして世界の健康と福祉に貢献して参ります。

【病院概要】
■沖縄県立中部病院の歴史?概要?特徴 https://chubuweb.hosp.pref.okinawa.jp/

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 沖縄県立中部病院は、米軍統治下の1946(昭和21)年に開設され、その後沖縄県に移管された総合病院です。1967(昭和42)年から、米国ハワイ大学と提携した臨床研修プログラムを開始し、現在までに1300名を超える医師を輩出しています。
 様々な診療科で研修を行い、全ての医師に求められる能力を養成する研修プログラムは、2004年から日本で導入された医師の卒後臨床研修制度のモデルとなりました。また、「Peer Review」を実践するためのグループ診療をいち早く導入し、「屋根瓦方式」による教育、診療体制も多くの研修病院で取り入れられるきっかけとなりました。
 卒後教育だけでなく、卒前医学教育にも積極的に関わっており、地元琉球大学の教育関連病院として、医学科学生全員の臨床実習の受け入れを実施しています。
 沖縄県立中部病院は、「私たちは、すべての県民が、いつでも、どこでも、安心して、満足できる医療を提供します」という理念のもと、地域医療の発展に貢献するとともに、日本の医師教育においても先駆的な役割を果たして参ります。

■プレスリリースはこちら>>

〇取材に関するお問い合わせ先
 学校法人188bet体育_188bet亚洲体育-在线*投注 企画部 広報?社会連携推進室
 TEL:03-3351-6141(代表)
 E-mail:d-koho@tokyo-med.ac.jp

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■宮澤啓介学長のコメント
 社会の超高齢化が進む中、高度な専門性に加え、総合的に患者を診ることのできる医師の育成は喫緊の課題です。沖縄県立中部病院(以下中部病院)は、研修医たちの間で「実戦力」が身につく研修病院として高い人気を誇っています。同病院は、米国式医学教育を全国に先駆けて導入し、医療面接(history taking)と身体診察(physical examination)(H&P) を重視した教育方針が、診療科の枠を越えて病院全体に深く浸透しているのが特徴です。カンファランスの冒頭では、あえて検査データや画像を提示せず、H&Pだけでどこまで確定診断に迫ることができるかを論理的に徹底して議論します。これにより、研修医たちは高い診断能力を修得しています。私自身、このカンファランスに参加し、本学の学生たちに提供したい教育がここにあると深い感銘を受けました。

 一方、中部病院のスタッフの皆さんは、本学の社会人大学院の研究?教育リソースを最大限活用し、医療データサイエンス分野や公衆衛生学分野、健康増進スポーツ医学分野等との連携を通じて、沖縄地域で集積されたビックデータを活用したヘルスサイエンス関連の研究や臨床研究等の研究力強化が期待できます。また、これらの研究活動を通して、中部病院のスタッフの皆さんのキャリア形成を支援できると考えています。

 今回の包括連携協定が、双方にとって有意義なものとなり、今後さらに発展することを心より願っております。

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■三苫博副学長(教学マネジメント担当)のコメント
 現在、本邦の医学部は診療参加型臨床実習の質の向上、卒前卒後のシームレスな展開を強く求められています。本学にとっても、優先して解決しなければならない課題の一つです。この数年、各診療科の協力のもと、学修成果を基にして実習内容の見直しを図り、以前と比べ臨床実習教育体制が大幅に刷新されました。しかし、効率的な高度先進医療を求められる大学附属病院においては、学生の研修体制に一定の限界があるのも実情です。

 これを踏まえ、本学は外部の医療機関と積極的な連携を行い、教育資源の拡充に努めています。一つは新潟県地域基幹病院で実施する長期滞在型臨床実習(Longitudinal integrated clerkship)です。そして、今回は中部病院で教員研修を実施することになりました。沖縄県立中部病院は、米国式研修制度を導入し、これを沖縄県医療の中で発展させてきたことで、本邦では圧倒的な存在感をもつブランド病院です。この指導方法を学ぶことが研修の目的です。一方、本学は自校の強みである研究力を活かし、中部病院の臨床研究を支援して参ります。

 米国式研修を発展させたブランド病院と、基礎?社会医学研究にも強みをもつ都市型私立大学という「全く異なる組み合わせ」により、「医学教育?研究面での新たな価値」が創成されることを願っています。

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